不動産投資用物件とマイホームの両方を購入・所有できる?両立のポイントを解説

最終更新日:2023.05.11 (公開:2023.04.13)

不動産投資で資産運用をおこなう際、疑問の一つとして挙がるのが「自分が住むマイホームと投資用物件の両方を購入・所有ができるかどうか」という点です。

「投資用物件を購入したものの、結婚を機会に居住用マンションの購入を考えているが注意点はある?」「投資用とマイホーム物件を購入する順番に善し悪しはあるのか?」など、人それぞれに気になる点があることでしょう。

そこで今回は、投資用物件とマイホーム(居住用物件)の両方を所有する際に、知っておきたいポイントについて解説します。 

投資用物件とマイホームの両方を購入・所有できるのか?

結論から言えば、投資用物件とマイホームの両方を購入・所有することは可能です。

投資用物件とマイホームの両方を所有する場合には、利用するローンの違いや、購入順序などについて知っておくと役立ちます。それぞれポイントを見ていきましょう。

購入のカベになるのはローン金利?

住宅ローンと不動産投資ローンの違いについて詳しくは後述しますが、投資用物件とマイホームの両方を所有する場合、多くの人は両方ともローンを組んで購入資金を調達することになります

一般的に、不動産投資ローンの金利は、住宅ローン金利と比べて高くなる傾向があります。その理由は、不動産投資ローンの返済の原資は家賃収入(賃貸経営の事業で得られる収入)となり、安定的に入るかどうか分からないため、貸し倒れのリスクが考慮されているからです。

一方、住宅ローンの場合は、ショッピングなどと同じ個人消費のローンです。会社員であれば、毎月安定して入る給与が返済の原資となることから、貸し倒れリスクが低く、低金利で設定されていると言えます。

新たに不動産投資ローンの利用を検討する際、この金利の違いがカベとなって購入をためらう方もいることでしょう。

★ポイント★
不動産投資の中でも比較的リスクが低いとされる新築ワンルームマンション投資であれば、金利が低く抑えられるケースもあるため、不動産投資会社へ事前に相談するのがおすすめです。

※住宅ローンで投資用物件を購入することは禁じられています。居住する目的以外での住宅ローンの不正利用は、全額一括返済を求められることもあります。

両方を購入できるとしたら順番はどうすべきか?

これから投資用物件とマイホームの両方を所有したいと考えた場合、気になるのは「購入する順番によって何か違いはあるのか?」という点でしょう

実は、購入する順番、つまり不動産投資ローンと住宅ローンを組む際には「不動産投資ローン」→「住宅ローン」の順番がおすすめと言われています。その理由として以下の3つが挙げられます。

●不動産投資ローンの融資審査ハードルは、住宅ローンよりも高い傾向にある
●住宅ローンの残債分が、不動産投資ローンの融資額(与信枠)から減額される可能性がある
●不動産投資の賃貸収益は収入として合算され、融資審査に有利になる可能性がある

そもそもローンとは「負債」です。そして当然のことながら、住宅ローンなど大きな借り入れがある場合には、返済リスクもそれだけ高くなると言えます。そこで、大きな借り入れがない状態でまずは不動産投資ローンを組んで、住宅ローンはその次に回すほうが望ましいとされているのです。

投資用物件とマイホームの両方を所有するメリットはある?

投資用物件とマイホームの両方を所有する理由の多くは、計画的なローン返済や効率的な資産運用といった恩恵を受けられるメリットを見込んでのことでしょう。

不動産投資の家賃収入がある場合、その余剰分をマイホームのローン返済に充てることも可能です。また、家賃収入で得た資金を、マイホームを購入する頭金に充てるなどで借り入れ額を抑えることもできます。

ただし、デメリットがないわけではありません。不動産を複数所有することになるため、自然災害リスクや修繕リスク、賃貸経営が予定通りにいかないリスクには備えておくべきでしょう。

「両方持ち」のポイントはローンにあり

投資用物件とマイホームを同時に所有する場合、最も気になるのは「ローン」についてではないでしょうか?

ここでは、「不動産投資ローン」と、マイホーム購入のために利用する「住宅ローン」の主な特徴などについて解説します。

不動産投資ローンと住宅ローンの違い

前述したように、不動産投資ローンと住宅ローンは性質が異なります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

【住宅ローンと不動産投資ローンの主な特徴比較表】

比較項目不動産投資ローン住宅ローン
ローンの目的不動産投資で収入を得るため物件購入者が自分で居住するため
返済原資家賃収入給与収入
金利の目安1%~4%後半変動金利の場合2.475%(
融資審査不動産投資の収益性や個人の返済能力個人の返済能力
申し込み時の年齢(最終返済時の年齢)最終返済時の年齢が満85歳などの制限がある場合が多い65~70歳程度が上限※最終返済時の年齢は75~80歳程度

住宅金融支援機構発表の2023年1月現在の民間金融機関の住宅ローン変動金利型

不動産投資ローンの主な特徴

不動産投資ローンを組む目的は「不動産投資で収入を得るため」であり、返済原資は主に家賃収入となります。借入金利は借入先によって異なりますが1%〜4%後半が目安で、住宅ローンよりも高い金利となる傾向です。

※変動金利の場合、今後の経済状況の変動によって金利が変わることもあります。

融資審査の基準となるのは、不動産投資の収益性や個人の返済能力です。また、最終返済時の年齢は満85歳を上限としている場合が多く、ローンを申し込む際は、融資額と年齢を考慮して審査されるのが一般的です。

金融機関によって融資条件やハードルの高さが違うので、事前によく確認しておきましょう

■関連記事
不動産投資ローンのおすすめポイントとは?借入先の種類や住宅ローンとの違いも解説

住宅ローンの主な特徴

住宅ローンを組む目的は「物件購入者が自分で居住するため」です。返済原資は、主に毎月の給与収入となります。借入金利は借入先によって異なりますが、変動金利の場合で2.475%(です。
住宅金融支援機構発表の2023年1月現在の民間金融機関の住宅ローン変動金利型

融資審査の基準は個人の返済能力のみで、定期収入がない場合はローンを組むのが難しい傾向です。また、ローン申し込み時の上限年齢は65~70歳程度、ローン完済時の年齢を75~80歳を上限としていることが多いようです。

なお、会社員の場合は、定年を迎えてから住宅ローンを組むのは難しくなるので、計画的にマイホーム購入を検討する必要があります

住宅ローンがあっても不動産投資ローンは組める?

給与以外の収入を得るために、不動産投資に興味を持つ人は少なくありません。しかし、住宅ローンを返済している最中に、不動産投資ローンも組むことはできるのでしょうか?

結論から言ってしまうと、答えは「組むことはできる」です。しかし、不動産投資ローンと住宅ローンを組む際には「不動産投資ローン」→「住宅ローン」の順番がおすすめであることを説明したように、融資額(与信枠)が減る可能性があるなど、不利になると想定されることは覚えておきましょう

★ポイント★
住宅ローンがあっても返済能力や、不動産投資をする物件によっても状況は変わってきます。例えば、新築ワンルームマンションの不動産投資であれば、必要な融資額が低く抑えられるケースもあるので、住宅ローンがあるからと言って不動産投資をあきらめることはありません。

■関連記事
新築ワンルームマンションの不動産投資を行うメリットや収益性とは?

住宅ローンと不動産投資のローンを並行して組む際の注意点

住宅ローンと不動産投資ローンの両方のローンを並行して組む場合、とりわけ住宅ローンの返済中に新たに不動産投資ローンを組んで運用するためには、注意したいポイントや対処法があります。

好立地・築浅の物件を選ぶ

まずは、好立地で築浅の物件を購入するべきです。入居需要が高くなる物件条件を満たしていれば、不動産投資での収益性が期待でき、返済能力があると認めてもらえる可能性が高まります。

住宅ローン残債を考慮する

さらに、住宅ローンの残債もポイントになる場合があります。明確に「いくらならOK」といった決まりはありませんが、まだ残債がほとんど残っている時期よりも、あと10年未満で返済が終わるというタイミングなら、それだけ融資審査に有利になる金融機関もあります。

投資用物件とマイホームを両方持つ際に知っておきたい予備知識

ここからは、投資用物件とマイホームを両方所有する場合、知っておいて損のない予備知識を紹介します。

ピンチになったら「オーナーチェンジ物件」にするのもアリ?

住宅ローンと不動産投資ローンの両立において、キャシュフローが悪化してしまうこともあるでしょう。その際は、マイホームは残した状態で、投資用物件の売却を検討するのも一つの方法です。

入居者がいる状態で売りに出される物件のことを「オーナーチェンジ物件」と呼びます。所有者は変わりますが、すでに入居者がいるために客付けの心配がなく、新しい所有者にとっては空室リスクが軽減されるメリットがあります。また、該当物件に賃貸経営の実績があれば、収益計画が立てやすいことなども特徴です。

オーナーチェンジ物件は、不動産投資の初心者でも取り扱いしやすく、投資用物件として人気があります。万一のときの最終手段として想定しておくのもいいでしょう

自己資金ゼロでも物件購入できる?

通常、頭金を準備せずに物件価格全額を借り入れることをフルローンと言いますが、マイホームであれ投資用物件であれ、フルローンで購入することは可能です。最近の住宅ローンでは、諸経費も含めたオーバーローンに対応する金融機関も出てきています

不動産投資ローンの場合も、頭金ゼロでローンを組むことが可能で、特に区分マンション投資などの比較的価格が安い物件ではフルローンで購入できます。さらに最近では、不動産投資ローンでも住宅ローンと同様にオーバーローンの取り扱いが増えています。

★ポイント★
物件にもよりますが、ローン手数料や登記費用、保険料などの初期費用でかかる100万円~200万円程度の諸経費を、ローンでまかなうことができます。ただし、頭金を払うことで返済額を抑えられるので、キャッシュフローとの兼ね合いを見て判断することが大切です。

投資用物件とマイホーム購入は、ローンの違いや特徴を知って賢く実現しよう

今回解説してきたように、投資用物件とマイホームの両方を購入・所有することは可能です。その際には、不動産投資ローンと住宅ローンの違いや、「両方持ち」する際のポイントについて事前に理解しておくと、最適な資産運用につながります。

マイホームと不動産投資の両立に興味があり、特に比較的リスクが少ない新築ワンルームマンション投資について詳しく知りたい方は、実績豊富なメイクスまでお気軽にご相談ください。専門知識を持ったコンサルタントが最適な資産運用をサポートします。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。㈱メイクス・㈱メイクスプラスにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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メイクス100年不動産ナビ編集部

メイクス100年不動産ナビ編集部は、不動産投資をはじめ、資産形成についてワクワクしてもらえるようなの情報の提供を目指しています。初心者向けの情報から既にオーナーの方、知見のある方に向けた、不動産投資や資産形成についての疑問を客観的な視点から発信しています。

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