なぜ投資用物件を複数所有するのか?その理由やメリットについて知ろう

最終更新日:2023.06.01 (公開:2023.05.02)

不動産投資で効率よく資産を積み上げていくための方法として、複数の投資用物件の所有に興味を持っている方は多いことでしょう。

物件を複数所有するということは、その分、リスクを抱えることになる上に費用もかかります。しかし、複数所有により期待できる利益は魅力的で、実際に投資物件をいくつも所有・運用している方もいます。

そこで今回は、投資用物件を複数所有する理由やメリット、運用する際の注意点などについて詳しく解説していきます。

不動産を複数持つ理由・メリットとは?

はじめに、複数の不動産を所有するメリットについて見ていきましょう。メリットを知ることで、物件を複数所有する人がいる理由が分かるでしょう。

利益倍増が見込める

単に物件を複数所有しているだけで確実に利益が増えていくというわけではありませんが、うまくいけば、所有する物件数に比例して家賃収入も増えていくと期待できます。投資用物件を複数所有する目的は、より大きな利益を得るためであることは明白です。

融資を受けて物件を購入する場合、ローンが残っているうちは純資産とは言えないため、「ローン残高が減っていくにつれて、所有資産も増えていく」というイメージを持つと分かりやすいでしょう。

ただ、ローンを完済していない段階でも運用の仕方によって、より大きな利益獲得に向けた運用計画を立てられるようになるのです。

税金対策(節税効果)が期待できる

不動産投資のメリットの一つが、給与所得と不動産所得を損益通算できる「節税効果」です。

ローンの金利や固定資産税、さらには減価償却費などを経費計上して不動産所得が赤字になれば課税所得が減るため、個人の所得税や住民税の額を引き下げることができます。物件を複数所有している場合にも、この節税効果が期待できるでしょう。

複数所有で事業化すれば、青色申告で最大65万円控除も

不動産投資が事業として認可されれば青色申告が可能になり、控除額は最大65万円と大きな節税効果を生みます。

複数の物件を購入・維持していくことは、それなりに支出も多く、キャッシュが出ていくというイメージを持っている方も多いと思います。しかし、こういった大きな節税効果がある点は意外と見過ごされている部分でしょう。

■関連記事不動産投資は法人化すべきか?メリット・デメリットとやり方を解説

確定申告は税理士へ依頼して正確性・信用度アップを

投資用物件を複数所有する場合、確定申告は税理士へ依頼するのがおすすめです。確定申告には、書類を作成する時間や会計に関する知識を要しますが、複数所有していることで申告の抜け漏れが発生するリスクも増えてきます。

★おすすめ★
専門家の税理士に依頼すれば、自分で行う手間や時間を削減できるだけでなく、申告の正確性を担保できます。その結果として、金融機関や不動産会社からの信用度もアップして、今後の資産運用にもプラスの影響があるとも考えられます。

「分散投資」でリスクヘッジにつながる

想定されるリスクに備えるためのリスクヘッジという観点で、複数所有は有効と言えるでしょう。考え方としては、株式や投資信託などの金融商品を運用する際に活用する「分散投資」と同じです。

リスクヘッジになる要素はいくつか考えられますが、中でも効果的と言えるのが「空室発生により家賃収入が断たれること」へのリスクヘッジです。

投資物件には常に入居者がいるわけではなく、空室の時期も少なからず発生しますが、問題はその期間の家賃収入をどうカバーするかでしょう。物件を複数所有していれば、1つの物件が空室となり家賃収入がなくなっても、入居者がいる他の物件の家賃収入でカバーできる可能性があります。

また、自然災害の多い日本では、地震や台風などで建物の修繕が必要になったり、修繕期間に空室が発生したりする「自然災害リスク」からは逃れられません

★ポイント★
複数物件を購入する際、1つの地域に限定せず、災害リスクが異なる別の地域に分散させることで、リスクヘッジを図ることができます。

物件を複数所有する場合、物件選びで気をつけること

投資用物件を複数所有する場合、物件選びで気をつけたいポイントがあります。
ここでは、「物件のエリア」と「物件のタイプ」の2つの視点で見ていきましょう。

物件のエリアを分散させる

前述したように自然災害リスクに備えるために、個々の物件のエリアを分散させるのがおすすめです。地震や台風、さらには大雪などの被害は局地的であるケースがほとんどです。所有物件が同じエリアにあって同時に自然災害に見舞われてしまうと、一度に大きな修繕費用がかかってしまうことは想像に難くありません。

また、物件のエリアを分散させることは、入居需要減少の影響を同時に受けにくくすることにもつながります。例えば、あるエリアで入居需要が下がってしまい、空室が発生したり家賃を下げる必要が出たりする場合があります。そんなときでも、別のエリアの入居需要が変わらない、または好調であれば、所有する物件トータルで収支を捉えることができるのです。

物件のタイプを分ける

空室リスクを避けるため、所有する物件のタイプを分けるのもポイントです。

例えば…
ワンルームマンションの1室を所有していて、そこに学生が入居しているとします。すると、その入居者は卒業と同時に部屋を出てしまう可能性があります。

同じような物件をもう1室所有していて、そこにも同学年の学生が入居していたとしたらどうでしょうか?

卒業時期には同時に2部屋分が空室になってしまう可能性があり、そうなると家賃収入が完全に途切れてしまう期間が発生してしまいます。

資産に余裕があれば気にしなくてもいいかもしれませんが、負わなくても済むリスクなら、最初からリスクを避けられるような物件を購入しておくべきでしょう。

★ポイント★
1室目で学生向けのタイプの物件を購入したとしたら、もう1室は社会人向けのタイプの物件にすることでリスクを避けられます。

複数所有する際のローン審査への注意点

当然のことですが、ローンには上限があり、それを超えて借りることはできません。限度額に近い融資額であるほど「本当に返済できるのかどうか」という点で金融機関などの審査も厳しくなるでしょう。一度に複数の物件を購入することは可能ですが、契約者の収入状況が良くなければ実現するのは難しくなります

★ポイント★
ローン審査では個人の信用情報を見られるので、クレジット情報や返済状況についても金融機関に把握されます。返済の遅れなどの履歴が残っていれば、通るものも通りません。普段から、返済や支払いの遅れなどしないように注意しましょう。

複数所有する際のデメリットとその対策について知ろう

得られる家賃収入を考えると大きなメリットになり得る物件の複数持ちですが、リスクをはらんでいることも理解しておきましょう。では一体、どんなデメリットがあるのでしょうか?

主なデメリットと、その対策について見ていきましょう。

管理費用・メンテナンス費用がかさむ

どんな建物でも、維持していくために管理費用や定期メンテナンス、修繕は欠かせません。物件を複数所有するということは、こうした費用も物件の数だけ必要になります。そのためにまず講じるべき対策としては、メンテナンス費用や修繕費用を計画的に積み立てておくことです。

■対策①:ある程度の資金を手元に残す
不動産投資では、設備不具合や自然災害などで想定外の修繕が必要になるケースもあります。その際、修繕費用をローンで組んで調達すると、借り入れが増えてしまい、運用計画の見直しをせざるを得なくなってしまいます。

大規模な修繕が発生してもできるだけキャッシュで処理できるよう、ある程度の資金を手元には残しておくべきでしょう。

■対策②:エリア特性に応じた保険に加入する
エリアの特性に応じた加入保険の検討も有効です。水害や雪害の頻度が高い地域なら、災害リスクの種類に応じた保険で備えておくべきですし、未加入のものがあれば加入すべきでしょう。そのためにも、購入する物件があるエリアの特徴や立地状況はしっかりと把握しておく必要があります。

「何もなければ大丈夫だから、とりあえず未加入のままでゆっくり検討しよう」という考え方は、自然相手には通用しません。

キャッシュフローが悪化する恐れがある

多くの場合、金融機関などから融資を受けて不動産を複数所有することから、当然、毎月のローン返済額は大きくなります。もし、投資物件2軒とマイホームをそれぞれローンを組んで購入していたとしたら、毎月3軒分のローン返済をすることになるわけです。

私生活で予期せぬ物入りがあれば、一気にキャッシュフローが悪化してしまうこともあり得ない話ではありません。

■対策:ある程度のキャッシュを残す生活を意識する
キャッシュフローの悪化を回避するためには、ある程度の資金をキャッシュで手元に残すことです。修繕積立をするのと同じように、いつ何があっても支払いに困らないための蓄えは必要です。

例えば「私生活でのローンをチェックし、浪費になっているものがあれば見直す」というのも対策の一つです。不動産投資の運用がうまくいっていたとしても、私生活でローンが重くなり支払いができなくなってしまったら、せっかく購入した物件を手放すような事態を招きかねません。

★ポイント★
不動産運用だけでなく、広く生活面でのキャッシュフローも意識した暮らし方が大切と言えるでしょう。

空室リスクを抱える恐れがある

卒業や転勤、結婚、出産などライフスタイルが変化するタイミングで、人は住む場所を変えるものです。いつでも確実に入居する物件は存在せず、「不動産を持つ=常に空室リスクをはらんでいる」という点は意識しておく必要があります。

特に、複数所有するときには、空室リスクが所有件数分だけあることになるので、十分、配慮する必要があるでしょう。

対策:定期メンテナンスや適切な物件管理を心がけ
・物件の定期的なメンテナンスを行う
・空室が発生した際にはいつ誰が見学に来ても魅力的に映るように努める
・居住者の不満や要望をいち早く解消できるようにしておく

など、過剰なサービスは必要ありませんが、あの物件は良いと周囲に伝わるくらいの工夫は凝らすべきでしょう。

「複数物件を所有したくても自分ではそこまで手が回らない…」という事態に備えて、物件を選ぶときから、しっかりした管理運営会社と連携がとれる不動産投資会社に相談するというのも一つの方法です。

しっかりとリスクヘッジできれば複数所有は大きなメリットになる

投資物件の複数所有は、ハードルが高く、手を出すのが難しいと思われがちです。実際に、所有する物件数分の修繕費用の積み立てが必要だったり、空室が一度に発生するようなリスクがあったりします。しかし、想定されるリスクへの対処法が分かっていれば、大きな利益を生み出すことが期待でき、複数所有は魅力的な運用手法と言えるでしょう。

不動産の複数所有での資産運用を検討中の方や、特にワンルームマンション投資の複数所有について詳しく知りたい方は、実績豊富なメイクスまでお気軽にご相談ください。専門知識を持ったコンサルタントが最適な資産運用をサポートします。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。㈱メイクス・㈱メイクスプラスにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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メイクス100年不動産ナビ編集部

メイクス100年不動産ナビ編集部は、不動産投資をはじめ、資産形成についてワクワクしてもらえるようなの情報の提供を目指しています。初心者向けの情報から既にオーナーの方、知見のある方に向けた、不動産投資や資産形成についての疑問を客観的な視点から発信しています。

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